FUGADEN JOURNAL — No.07
何をつくるかより、何を残すか。
新しい庭を考えるとき、私は「何を足すか」からではなく、「何を残すか」から考えます。風景翻訳家が行き着いた、引き算の設計について。 庭をつくる仕事をしていると、どうしても「何を入れるか」に意識が向きます。植栽、石、照明、素材。どれも大切ですが、私が最初にするのは、そこにすでにあるものを、ゆっくり見ることです。

残すと決めたもの
たとえば、敷地に古くからある一本の木。抜いてしまえば、計画はずっと描きやすくなります。けれどその木があることで、新しい家が昔からそこに建っていたような落ち着きを持つことがあります。遠くの山並みが見える方向や、何も置かない余白も同じです。何を残すかを決めることが、その庭の性格を決めていきます。
残すというのは、何もしないことではありません。その場所が本来持っている価値を見つけ、それがいちばん美しく見えるように、周りを整えることです。
引き算の先に
足すことは、誰にでもできます。引くことには、その場所を読む力と、残すと決める覚悟が要ります。私は、そこにこそ庭づくりの面白さがあると思っています。
何をつくるかより、何を残すか。
入口: Fu-Garden の施工例を見る ↗/書籍『神々の庭を翻訳する』〜風景翻訳家が行き着いた「引き算」の空間論〜 ↗
Landscape Translation|文脈を、風景にする。